毎年の健康診断で「骨密度が低い」と言われ、カルシウムを意識して牛乳を飲むようにした佐藤さん(仮名・44歳)。しかし半年後の再検査では改善が見られず、医師からこんな言葉をかけられました。「カルシウムだけ補っても、吸収を助けるビタミンDが足りていないと効果が出にくいんですよ」。
その言葉で気づいたのは、「自分が抱えていた栄養不足はカルシウムだけではなかった」ということ。食生活を振り返ってみると、野菜は1日1〜2品程度、魚は週1回食べるかどうか、外食が多くて食物繊維も圧倒的に不足していました。
日本人の栄養不足というと「カルシウムが足りない」というイメージが強いですが、実際には複数の栄養素が慢性的に不足しているのが実態です。この記事では、厚生労働省「国民健康・栄養調査」のデータをもとに、日本人が特に不足しやすい栄養素と、野菜由来で補うための具体的な方法を解説します。
- 日本人が特に不足しやすい5つの栄養素とその実態
- カルシウム不足が解消されにくい本当の理由
- 野菜由来で効率よく栄養を補う具体的な方法
- 忙しいときでも続けられる栄養補給の考え方
日本人はカルシウムだけでなく複数の栄養素が不足している
国民健康・栄養調査が示す実態
厚生労働省「令和4年 国民健康・栄養調査」によると、日本人は複数の栄養素において推奨量・目標量を下回る摂取にとどまっています。特に注目すべき不足栄養素を以下にまとめます。
| 栄養素 | 平均摂取量の目安 | 推奨量・目標量 | 充足率の目安 |
|---|---|---|---|
| カルシウム | 約505mg | 650〜750mg | 約70〜75% |
| 鉄分(女性) | 約6.5mg | 10.5〜11.0mg | 約60% |
| 食物繊維 | 約18g | 21g以上(女性) | 約85% |
| ビタミンD | 約7μg | 8.5μg(目安量) | 約82% |
| マグネシウム | 約260mg | 290〜370mg | 約70〜90% |
出典: 厚生労働省「令和4年 国民健康・栄養調査」「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
カルシウムの不足は広く知られていますが、鉄分・食物繊維・ビタミンD・マグネシウムもほぼ同程度に不足しているのが実態です。
不足している5つの栄養素を詳しく見る
1. カルシウム——日本人の代表的な不足栄養素
カルシウムの平均摂取量は推奨量の約70〜75%にとどまっています。骨・歯の形成に不可欠なだけでなく、筋肉の収縮や神経の伝達にも関わるミネラルです。
不足が続くと、将来的に骨密度が低下するリスクがあります。特に閉経後の女性は骨からカルシウムが失われやすくなるため、若いうちから意識的に摂ることが大切です。
野菜からの摂取源: ケール(100gあたり約220mg)、小松菜(約170mg)、チンゲン菜(約100mg)
2. 鉄分——特に女性に深刻な不足
鉄分は、赤血球のヘモグロビンに含まれ酸素を全身に運ぶ役割を持っています。月経のある女性では推奨量が特に高く設定されており(成人女性で月経あり:11.0mg/日)、調査では多くの女性が目標を大きく下回っています。
植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」はビタミンCと組み合わせることで吸収率が高まることが知られています。
野菜からの摂取源: 大麦若葉、小松菜(100gあたり約2.8mg)、ほうれん草(約2.0mg)
3. 食物繊維——目標量に届かない人が多数
食物繊維の1日目標量は成人女性で21g以上、男性で21g以上とされていますが、実際の平均摂取量は約18g前後にとどまります。腸内環境を整えるうえで欠かせない栄養素であり、水溶性・不溶性の両方をバランスよく摂ることが推奨されています。
野菜からの摂取源: 大麦若葉、ゴボウ、さつまいも、ケール、ブロッコリー
4. ビタミンD——日照不足・魚離れで摂りにくくなっている
ビタミンDはカルシウムの腸からの吸収を助ける栄養素です。カルシウムをいくら摂っても、ビタミンDが不足していると吸収効率が大きく落ちてしまいます。これが「カルシウムを補っているのに骨密度が上がらない」という事態の一因です。
日光を浴びることで皮膚でも生成されますが、室内勤務が多い現代では食事からの補給が重要になっています。主な食品源は魚介類(鮭・いわし・さんまなど)ときのこ類です。
摂取のポイント: 週2〜3回の魚食、きのこ類を食事に取り入れる習慣
5. マグネシウム——知られていないが実は慢性的に不足
マグネシウムは300種以上の酵素反応に関わる重要なミネラルで、カルシウムとともに骨の形成にも関わっています。神経の興奮を穏やかに保ち、筋肉の収縮・弛緩のバランスを整える働きも持っています。
ストレスが多い時期や激しい運動後には消費が増えやすく、意識的に摂る必要があります。
野菜からの摂取源: 大麦若葉、アーモンド、わかめ、豆腐、枝豆
カルシウムが補いにくい本当の理由
ビタミンDとマグネシウムが「チームカルシウム」
カルシウムの吸収と活用には、ビタミンDとマグネシウムが欠かせません。この3つはセットで機能する「チームカルシウム」とも言える関係にあります。
- ビタミンD: 小腸でのカルシウム吸収を促進
- マグネシウム: 骨へのカルシウム沈着を助け、過剰なカルシウムが血管や軟組織に蓄積するのを防ぐ働きに関わる
カルシウムだけを意識して摂っていても、ビタミンDとマグネシウムが不足していては十分に活用されません。3つの栄養素を一緒に意識することが大切です。
シュウ酸の少ない野菜を選ぶ
ほうれん草に多く含まれるシュウ酸はカルシウムの吸収を妨げることがあります。カルシウム補給が目的であれば、シュウ酸の少ないケール・小松菜・チンゲン菜を選ぶと効率的です。
| 野菜 | カルシウム(100g) | シュウ酸の目安 | 吸収の効率 |
|---|---|---|---|
| ケール | 約220mg | 少ない | 効率的 |
| 小松菜 | 約170mg | 少ない | 効率的 |
| チンゲン菜 | 約100mg | 少ない | 効率的 |
| ほうれん草 | 約49mg | 多い | 吸収されにくい |
出典: 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」
野菜由来で複数の栄養素をまとめて補う方法
大麦若葉とケールが優れている理由
青汁の代表的な原料である大麦若葉とケールは、カルシウムだけでなく複数の不足栄養素を同時に含む緑黄色野菜です。
| 栄養素 | 大麦若葉に含まれる目安 | ケールに含まれる目安 |
|---|---|---|
| カルシウム | 含む | 豊富(約220mg/100g) |
| 鉄分 | 含む(約2mg/10g粉末) | 含む |
| 食物繊維 | 豊富 | 豊富 |
| マグネシウム | 含む | 含む |
| ビタミンK | 豊富 | 豊富 |
| ビタミンC | 含む | 豊富 |
出典: 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
特にビタミンKはカルシウムを骨に定着させる働きに関わる栄養素で、大麦若葉やケールに豊富に含まれています。
食事で野菜を増やす3つの実践法
実践1:緑黄色野菜を毎食1品追加する
緑黄色野菜(ほうれん草・小松菜・ブロッコリー・ケールなど)には、カルシウム・鉄分・ビタミンK・食物繊維が豊富に含まれています。毎食1品を意識して追加するだけで、複数の不足栄養素をまとめて補えます。
コンビニでも副菜として購入できるものが増えており、外食でも「野菜をプラスする」意識を持つことが大切です。
実践2:食材の組み合わせで吸収効率を上げる
- カルシウム+ビタミンD: 小松菜の炒め物にしらすやきのこを加える
- 鉄分(非ヘム鉄)+ビタミンC: ほうれん草のおひたしにレモンをかける、ケールのスムージーにキウイを加える
- カルシウム+ビタミンK: ケールや小松菜、大麦若葉を含む料理を組み合わせる
実践3:汁物・スープで野菜の栄養を丸ごと摂る
野菜を茹でると水溶性の栄養素が流れ出ることがあります。スープや味噌汁にして汁ごと食べることで、溶け出た栄養素もまとめて摂取できます。具だくさんの味噌汁は、カルシウム・食物繊維・マグネシウムを効率よく摂れる優れた食べ方です。
食事だけで補いきれないときの考え方
忙しい日が続いたり、外食が多くなったりすると、どうしても野菜の種類と量が不足しがちです。そんなときに補助的に活用できるのが、大麦若葉やケールを含む栄養補助食品です。

AOBA 青汁タブレット 乳酸菌入りは、国産大麦若葉・ケールを主原料にした粒タイプの栄養補助食品です。ヨーグルト味で水なしでそのまま食べられるので、忙しい日でも手軽に野菜由来の栄養を補えます。乳酸菌・キシロオリゴ糖も配合し、腸内環境のサポートにも役立てられます。1日3〜10粒が目安です。
※本製品は栄養補助食品です。疾病の治療・予防を目的としたものではありません。 ※原材料にアスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物を含みます。フェニルケトン尿症(PKU)の方は必ず医師にご相談ください。 ※妊娠中・授乳中の方は、かかりつけの医師にご相談のうえお召し上がりください。
あくまで食事の補助として活用し、バランスの良い食事・適度な日光浴・十分な睡眠と組み合わせることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. カルシウムを毎日摂っているのに骨密度が上がらないのはなぜですか?
カルシウムの吸収・活用にはビタミンDとマグネシウムが必要です。カルシウムだけを増やしても、これらが不足していると十分に骨に活用されない場合があります。また、タバコ・過度のアルコール・カフェインの摂りすぎ、運動不足なども骨密度に影響することがあります。骨密度が気になる場合は医療機関でご相談ください。
Q2. 野菜からカルシウムを摂るとき、ほうれん草は効果がありますか?
ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれており、カルシウムと結合して吸収を妨げることがあります。カルシウム補給が目的の場合は、シュウ酸の少ない小松菜・ケール・チンゲン菜のほうが効率的です。ほうれん草は鉄分や葉酸が豊富なため、それらを補う食品として活用するのがおすすめです。
Q3. 食物繊維はどれくらい摂れば十分ですか?
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人女性の食物繊維の目標量を1日21g以上としています(男性は21g以上)。現実の平均摂取量は約18g前後であり、毎日不足しているのが実態です。野菜・海藻・きのこ・豆類・全粒穀物を意識して取り入れることで目標に近づけることができます。
Q4. ビタミンDは食事と日光どちらで補えばいいですか?
ビタミンDは食事からの摂取と皮膚での生成の両方から補えます。晴れた日に手や顔に15〜30分程度日光を浴びることで皮膚でも生成されますが、室内勤務が多い方や日焼け対策をしっかり行っている方は不足しやすくなります。食事では鮭・さんまなどの魚やきのこ類から補うのが基本です。
Q5. 青汁タブレットを飲んでいれば野菜を食べなくていいですか?
青汁タブレットなどの栄養補助食品は、あくまで食事の補助として活用するものです。食事全体のバランスを整えることが基本であり、栄養補助食品だけで食事を代替することはおすすめしません。バランスの良い食事を基本にしながら、不足を補う目的で活用することが大切です。
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参考情報
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- 厚生労働省「令和4年 国民健康・栄養調査結果の概要」
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
- 厚生労働省「e-ヘルスネット」
- 骨粗鬆症財団「カルシウム・ビタミンDに関する情報」
まとめ
日本人の栄養不足は「カルシウムだけ」の問題ではありません。鉄分・食物繊維・ビタミンD・マグネシウムも同程度に慢性的に不足しており、これらはそれぞれが互いに影響し合っています。
特にカルシウムの吸収にはビタミンDとマグネシウムが必要であることから、カルシウムだけを意識しても十分な効果が得られないことがあります。複数の栄養素をバランスよく補うことが、栄養不足対策の基本です。
まずは毎食の副菜に緑黄色野菜を1品加える習慣から始め、忙しい日は大麦若葉・ケールを含む栄養補助食品を補助的に活用するのもひとつの方法です。食事・日光浴・適度な運動を組み合わせて、無理なく栄養バランスを整えていきましょう。
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